お茶のカフェイン量と1日の摂取目安量-食品のカフェイン比較
今回はカフェインについてのおはなしです。
みなさんは緑茶やコーヒー、紅茶、ウーロン茶等を日常的に摂取していますよね。
カフェインは茶葉やコーヒー豆等に含まれる天然の食品成分のひとつです。
また、コーラや最近流行りの「エナジードリンク」、「眠気覚まし用のドリンク」等の清涼飲料水には、食品添加物としてカフェインが含まれています。
お客さまからもカフェインに関するご質問をいただくことがございます。
「緑茶にはカフェインが入っているけれども、1日にどれくらい飲んで大丈夫ですか。」
「コーヒーと比べてどちらが多く入っていますか。」
「子供に飲ませて大丈夫ですか。」などなど。
以下、カフェインについてまとめていきたいと思います。
カフェインの効能
カフェインの適量摂取には、覚醒作用により頭が冴え、集中力がアップし、眠気を覚ます効果等があります。
『朝茶を始めませんか』のブログでもご紹介しましたが、朝一杯のお茶は、心身をリラックスさせ、一日を元気に過ごすための活力となります。
また、緑茶やコーヒー等は、食事中の飲み物として、食後の一杯として、眠気覚ましとして等、日常のさまざまな場面で好まれる飲み物です。
カフェインのデメリット
しかし、過剰摂取した場合の急性作用としては、めまい、興奮、不安、不眠等をもたらすことがあります。また、過剰摂取は長期的にも健康に及ぼす影響を懸念されています。
食品中のカフェイン濃度
では、それぞれの食品にはどのくらいのカフェインが含まれているのでしょうか。カフェインを多く含む主な食品は、嗜好品として好まれるコーヒーや茶類です。下の表は食品中のカフェイン濃度をまとめたものです。
食品中のカフェイン濃度 | ||
食品名 |
カフェイン濃度 | 備考 |
エナジードリンクなどのカフェインを多く添加した清涼飲料水 | 32 ~300 mg/100 mL | 製品によって、カフェイン濃度、 |
内容量が異なる。 | ||
コーヒー(浸出液) | 60 mg/100 mL | 浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL |
紅茶(浸出液) | 30 mg/100 mL | 浸出法:茶5 g、熱湯360 mL、1.5~4 分 |
玉露(浸出液) | 160 mg/60 mL | 浸出法: 茶 10 g、60 ℃ 60 mL、2.5分 |
せん茶(浸出液) | 20 mg/100 mL | 浸出法:茶10 g、90℃430 mL、1 分 |
ほうじ茶(浸出液) | 20 mg/100 mL | 浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
ウーロン茶(浸出液) | 20 mg/100 mL | 浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
玄米茶(浸出液) | 10 mg/100 mL | 浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
抹茶(粉末製品) | 48 mg/70 mL |
1.5 g使用した場合(抹茶100gあたりカフェイン含有量3.2g) |
<参考>
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煎茶に関しては、少しお湯の温度が高いようですが、湯量と茶葉の量の割合は、だいたい一般的な淹れ方で調べていると思います。
例えば、
私は朝茶では、450mlの急須を使用しています。
普段はきっちり計ることはしませんが…
いつも使用している茶匙1杯が5g.
ティースプーンだと2杯で5gでした。
これが、茶葉10g、90℃のお湯430mlです。
私は、茶匙2杯、急須いっぱいにお湯を入れているのでだいたい表の通りの分量です。
湯呑み茶碗1杯が、約150mLなのでカフェイン摂取量約30mgとなります。
上の表を簡単にまとめてみると…
煎茶のカフェイン濃度を1とすると
玄米茶 0.5倍
ほうじ茶・ウーロン茶 1倍
紅茶 1.5倍
コーヒー 3倍
となります。
1日の摂取量の目安
では、1日当たりの摂取量の目安はどのくらいでしょうか。日本ではカフェインに対する感受性は個人差が大きいために、一日摂取許容量は定められていませんが、海外の主なリスク評価・管理機関等の状況をまとめると、以下のようになっています。
悪影響のない最大摂取量 | 機関名 | |
妊婦 | 300 mg/日 | 世界保健機関(WHO) |
200 mg/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) | |
300 mg/日 | カナダ保健省 | |
授乳中の女性 | 200 mg/日 注 1) | 欧州食品安全機関(EFSA) |
健康な子供及び青少年 | 3 mg/kg 体重/日 | 欧州食品安全機関(EFSA) |
健康な子供及び青少年 | 2.5 ㎎/kg 体重/日 | カナダ保健省 |
子供(4~6 歳) | 45 mg /日 | |
子供(7~9 歳) | 62.5 mg /日 | |
子供(10~12 歳) | 85 mg /日 | |
13 歳以上の青少年 | 2.5 ㎎/kg体重/日 | |
健康な成人 | 400 mg /日 | 欧州食品安全機関(EFSA) |
(3 mg /kg 体重/1回注2)) | ||
400 mg /日 | カナダ保健省 | |
注 1)乳児に健康リスクは生じない。 | ||
注 2)1 回当たり摂取量約 3 mg/kg 体重以下(例:体重 70 kg の成人で、約 200 mg 以下) | ||
であれば急性毒性の懸念は生じない。 |
<参考>食品安全委員会 食品中のカフェインhttps://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
つまり、健康な成人であれば、1日に400mg以内なら悪影響がないとされています。煎茶やほうじ茶で考えると、通常の淹れ方で大体2リットルです。妊婦や授乳中の方ですと、大体1~1.5リットルが目安になるかと思います。
また、カナダ保健省では、飲料換算で
健康な成人でコーヒーは1日あたり
マグカップ3杯(237mL/杯)
妊婦で
マグカップ2杯(237mL/杯)
としていますので、
煎茶やほうじ茶ですと、
健康な成人でマグカップだと9杯、
一般的な湯呑み茶碗だと一杯150mLくらいなので、12〜14杯くらいでしょうか。
妊婦でマグカップ6杯、湯呑み茶碗で7〜9杯くらいですね。
もちろん、煎茶やコーヒー、紅茶等、1日の中で色々は飲み物を飲みますよね。
例えば、私の或る1日を例にとってみますと・・・
朝は朝茶を湯呑み茶碗(150mL)で煎茶…30mg(先程の写真の湯呑み茶碗1杯分です)朝食時はコーヒーをマグカップ(230mL)で...約140mg
日中はマイボトル(500mL)で煎茶…100mg
もう一本のマイボトル(500mL)で黒豆茶…0mg
ミネラルウォーター(500mlL)...0mg
3時に紅茶をマグカップ(230mL)で…約70mg
夕食時ははと麦茶をマグカップ(230mL)で...0mg
夕食後は湯呑み茶碗(150mL)でほうじ茶…30mg
だいたいこんな感じで、1日分の合計カフェイン摂取量は約370mgとなります。
自分の1日のカフェイン量を計算したことはありませんでしたが、だいたいの数値を計算してみるのもよいかもしれませんね。計算してみてあまりにも数値が高いようでしたら、少し改善策を考えてみるのもよいかもしれません。
もっとガブガブ飲みたいわ!とか、お子さんに飲ませる時は、茶葉の量を減らしたり、水やお湯で薄めて飲めばカフェイン量は抑えられます。例えば、茶葉を半分の量にするとか、2倍に薄めれば、倍の量を飲むことができます。
また、菱和園のブログ等で何度かご紹介した
水出し緑茶でいれればカフェイン量は半分程度に抑えられます。
<参考>農林水産省 緑茶の美味しさと機能性を両立する「水出し緑茶」
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kihyo03/gityo/new_tech_cultivar/2021/2021seika-19.html
ただし、コーラなどのカフェインの入った清涼飲料水やエナジードリンクなどのカフェインが特に多い清涼飲料水を飲む日には注意が必要です。いつも通りの日本茶やコーヒーにプラスすると、1日の目安を超えてしまうことがあります。商品に記載のカフェイン量を確認して摂取量を調整してくださいね。
今回のポイント
- 1日のカフェイン摂取量は健康な成人で約400mgを目安にする。
- 煎茶やほうじ茶、ウーロン茶なら1日2リットルくらい。
- コーヒーは煎茶の3倍。
- カフェイン量が気になる時は、薄めにいれる、あるいは水出し緑茶にする。
- ノンカフェインの麦茶やはと麦茶、黒豆茶、ルイボスティー等を活用する。
昔から嗜好品として好まれてきた日本茶には、カテキン類やビタミン類等、健康に良いとされる成分が多く含まれています。工夫次第でカフェイン量を抑えることはできますので、カフェインの過剰摂取に気をつけながら、日本茶やコーヒー等の嗜好品を楽しみたいですね。
もちろん個人差はありますので、ご自身にあったカフェイン量を探してみてください。
追記:2022年4月にノンカフェインのルイボスティーティーバッグを新発売いたしました。
オンラインショップ限定販売です。トップグレードの茶葉を使用し、パッケージにもこだわった商品です。是非一度お試しください。
ブログでもルイボスティーをご紹介しております。
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